小田原駅から15分ほど歩いた、海岸にほど近い「かまぼこ通り」。その名の通りかまぼこ屋さんや干物屋さんなど30店舗あまりが立ち並ぶ、昔ながらの下町の雰囲気が漂う通りです。
　

実はほんの半世紀ほど前まではこの通りの一角（現在は市営プールのある辺り）に魚市場があったんです。周辺の海岸には漁船が並び、たいそう賑わっていたのだとか。（魚市場がこの辺りにあった時の話を青物町商店街の「長谷川釣具店」さんがインタビューで語ってくださっています）
　

そのためかまぼこ屋さんなどの加工業者もこの地域に集まってきました。昭和43年（1968年）に早川に漁港が完成すると小田原の漁業の拠点は早川へ移りましたが、今でも老舗のかまぼこ屋さんが軒を連ねるこの通りは「かまぼこ通り」と呼ばれているわけです。
　
さて、そのかまぼこ通りを一本入ったところにかつて「魚常」という魚屋さんがありました。今回募集する物件は、その魚屋さんの店舗兼住居だった建物です。住居として住むのはもちろん、お魚屋さんだった土間部分をお店にして店舗兼住居とすることも可能です。
　


いつ始めていつ閉められたのか、どんなお店だったのか…わたしたちにはこのお店の詳しいことはもうわかりません。店頭にくっきりと残る店名や大きな間口、水はけよく作られた土間などから魚屋さんの面影を見ることができるだけです。でも昔のこの地域のにぎわいをイメージすると、ここできっと活気ある商いが、暮らしがあったのだろうと思い描くことができます。
　





室内は貸主さまのDIYにより現代的にアップデートしています。トイレや洗面台が新しいものと交換されていたり2階は洋室になっていたりと快適に使えるようになっています。
店舗兼住居として使う場合、現状の土間につながる6帖の和室を店舗として改装してもOK。この和室→店舗の改装については原状回復義務はありません。和室のまま使う場合は貸主さまの負担で畳を新しく交換していただけます。
　


例えば、ここで暮らしながら1階和室をアトリエにして平日は作品をつくり、週末は土間をショップとして開放する、なんてイメージが浮かびました。かまぼこ通りに直接面しているわけではないので、隠れ家的にひっそりやりたい作家さんにはむしろぴったりじゃありませんか。
もしくは、バイク乗りさんや自転車乗りさんなら土間をインナーガレージとしてもいいかもしれません。複数台置けるし、整備をするにも充分な広さがあります。
　
▼1F＆屋外





屋外には自転車やバイクがちょこっと置けるスペースも確保されています。写真奥の引き戸の向こうは先述の1階北側の納戸です。
　

敷地内に駐車場はありませんが、目の前の月極駐車場に貸主さまが1台分確保してくださっています。お店をする際に台数を増やしたければご相談ください。
　

▼2F
2階は二間続き。どちらかはリビング的に、どちらかは寝室として使うイメージが湧きました。バルコニーはありませんが南側の窓の外には物干し竿が掛かっています。
　






かまぼこ通りの裏路地にひっそりと佇むかつての魚屋さん。ここにまたささやかでも新しい灯火が生まれたら嬉しいです。

［文・寺田］

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