茅ヶ崎には茅ヶ崎好きが住んでいる、と思うんです（神奈川は割とどこの市町村もそんな傾向がある気がしていますが）。今回の物件の大家さんはまさに茅ヶ崎愛がすごい。それもゴリゴリした暑苦しいタイプのではなくて、肩の力の抜けた穏やかな愛です。この人がいたら茅ヶ崎はまだまだもっと面白くなっていく、と思えるすてきな人です。
　
そんな大家さんが変えていこうとしているのは、茅ヶ崎の北側。JR茅ヶ崎駅を挟んで海のある南側とは反対のエリアです。「茅ヶ崎」と聞いて一般的にだいたいの人がイメージしているのって、きっと南側の絵だと思うのです。海があって、自転車でサーファーが走っていて、オシャレなショップやカフェ、レストランなどがある、言わずと知れた“THE湘南！”な風景。
対して北側はと言うと、もっと地元感があるというか、ふつうの暮らしが営まれている“ぼくらの茅ヶ崎”って感じです。近年は開発が進み、ロードサイドに大型の店舗やチェーン店が増えて生活の利便性が上がってきています。でも移住者や高所得者層に人気の高い南側に比べると、家賃は今のところ抑えめ。ちょっと地味かもしれないけど暮らしやすい、それが茅ヶ崎の北側です。
　
そんなことで今まで茅ヶ崎で注目されてきたのは圧倒的に南側だったわけですが、ここ数年でこの大家さんが仕掛け人となって、北側にも少しずついいお店や面白いお店が増えてきています。特にお店が集まっているのは、矢畑という地域。このあたりがこれからの北側エリアの変化の中心になっていきそうな予感です。
たとえば、どちらも人気店のタイ料理店「NOMADIC CAFE」とラーメン店「DAIKUMA」が同じ通りに並んでいるし、畑を借りることができてイベントも多く開催されるコミュニティ農園「RIVENDEL」や麹の専門店「米の花」があったり。すでにこんなお店が徒歩10分圏内に集まり始めています。その理由は、駅からは多少離れているから家賃が安めで、初めてお店を出すならランニングコストを抑えられてチャレンジしやすいエリアという特長があるから。
　

（DAIKUMAさんはお休みでお写真撮れず…！食べログをご参照ください…）
　
　
地主として自分の土地の価値を上げていきたい、というのはビジネス的には当然なんだろうけれど、この大家さんからはなんだかそれだけじゃない、ただただ自分の大好きな茅ヶ崎をもっと楽しいまちにしたい、ずっと続いていくいいまちにしたい、という純粋な思いがすごく伝わってくるんです。ブランド化したキラキラの“湘南の茅ヶ崎”だけではなくて、地に足つけて“ぼくらの茅ヶ崎”を育んでいきたい、って本気で考えている人だと思います。
　
　
…と前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、今回募集する物件は、先述の人気店「NOMADIC CAFE」と「DAIKUMA」のちょうど真ん中にある店舗事務所です。1階は整骨院が営業中の、2階部分を賃貸募集します。シンプルなつくりですが、窓があちこちにあって自然な明るさ。室内はきれいで居心地がとてもいいです。
　


　
さて、ここで何しましょうか。コバンザメ的だけど、両隣の人気店のお客さんたちが待っている間にふらっと入れそうなお店？ものづくりの作家さんの工房やアトリエでもいいかもしれないし、大きなマンションがどんどん建ってファミリーが集まっているから何か習い事のお教室もいいかもしれません。
　
5年後、10年後の茅ヶ崎を考えたとき、きっとこのあたりは何か新しい意味を持つエリアになっていると思います。というか、自分が行けばもっと面白くなる！面白くする！って気概のある方がいたら、ぜひ大家さんと一緒にいろいろ仕掛けていってほしいです。茅ヶ崎の新エリア開拓者、求む。
　
　
▼同じ町内に賃貸のテラスハウスもあるのです。

茅ヶ崎で叶える、緑がそこにある暮らし。畑付きテラスハウス