栄町1丁目に日本刀専門店「日本刀 湘南 佐々木」がオープンしました
2025年7月、栄町1丁目に日本刀専門店「日本刀 湘南 佐々木」がオープンしました。歴史あるこの城下町で、本物の刀剣に間近で触れられる貴重なお店の誕生です。
店舗があるのは小田原城址公園の目と鼻の先、弁財天通りの路面店です。立派な甲冑を目印にお越しください。

小田原城の北側、弁財天通りの路面店です
これまで海外向けを中心にオンラインで販売をしていた店主・佐々木さんが創業23年目に満を持してオープンした実店舗です。歴史が深く、実は名の知れた刀匠ゆかりの地でもある小田原に強く惹かれたのだとか。お店に並ぶのは戦国、江戸時代を中心とした本物の日本刀。扱う刀剣の多くには鑑定書が付いており、どの刀もすぐに飾れるように万全にメンテナンスされているので安心して購入できます。

ずらりと並ぶ日本刀

鍔(つば)や鞘(さや)などの刀装具も販売しています
ところで、その昔、小田原にも刀鍛冶がいて明治時代まで鍛刀が続けられていたということをご存知ですか?「日本刀 湘南 佐々木」では、小田原にゆかりのある刀匠「綱広」による刀剣を間近に見ることができます。

綱広作の打刀。もちろん鑑定書が付いています
実は相模国(神奈川)は、日本を代表する5つの日本刀の生産地のうちのひとつ。鎌倉幕府が全国から有力な刀工を集めたことで、この地独特の流派「相州伝」が誕生しました。室町時代になると、戦がなくなり相州伝を継ぐ鎌倉鍛冶は小田原へ移住します。そのうちのひとり、初代綱広が後北条氏の支援を受けて「小田原鍛冶」の礎を築きました。刀工名にある「綱」の字は、後北条氏の2代当主・北条氏綱から賜ったと言われています。
綱広の刀剣は小田原城天守閣にも所蔵されていますが、より近くで見られるのは専門店ならでは!相州伝発祥の地だからこそ、このエリアにゆかりのある刀剣も多く扱っていきたいと佐々木さんは言います。

綱広の打刀は、よく見ると「相州住綱廣」の銘が切られています
日本刀専門店は東京都内には数多くあるものの、神奈川、特に西湘エリアにはこれまでほとんどありませんでした。「日本刀 湘南 佐々木」はお店そのものは新しいですが、刀剣商としては創業23年、年間1,000振り以上の刀剣の売買を行っている実績のある専門店。これまでは銀座などのお店まで足を運んでいたという日本刀ファンの方にもぜひ立ち寄ってほしい品揃えです。販売以外にも、お持ちの刀に合わせた拵のオーダーや刀のメンテナンスなども行っています。もちろん初心者の方へは刀のお手入れ方法や保管方法なども丁寧に教えてもらえるので安心です。
そして力を入れているのは刀剣の買い取り。実家に眠っている日本刀があるけどどうしたらいいのかわからない、すごく状態が悪いんだけどこれって価値あるのかな?そんな方でもまずはご相談ください。実は日本各地にはまだまだ名刀が眠っているそうで、令和の現代でも価値のある刀があちこちで発見され続けているのだとか。相州伝ゆかりの地だから、あなたのおうちにある日本刀ももしかすると…?目利きの佐々木さんにぜひ一度見てもらってください。

刃文の美しさが際立つ一振り。綱広以外にも小田原にゆかりのある刀や刀装具も取り揃えています
長年「北条五代」をテーマにした大河ドラマの舞台を目指している小田原ですが、佐々木さんはドラマ化実現のために日本刀の専門店として何かできることがあれば、と協力に前向きです。歴史にまつわるイベントなどにもぜひ力を貸せたら、とのこと。日本刀専門店ならではのまちとの関わりがこれから楽しみです。

店主の佐々木さん
2015年に“刀剣女子”が新語・流行語大賞にノミネートされてから早10年。日本刀の人気は衰えるどころか海外にまで伝播して大きなムーブメントになっています。興味はあるけどなかなか本物を見る機会はなかった、という方も多いのではないでしょうか。「詳しくはないけどちょっと気になってる…という方でもどうぞ気軽にお越しください。普段、美術館などではガラス越しにしか見られない日本刀も、お店では間近にご覧いただくことができます。気負わずに日本刀を楽しんでいただくきっかけになれば嬉しいです」と佐々木さん。小田原に生まれた日本刀専門店をきっかけに、あなたの運命の一振りと出会えるかもしれません。小田原城への歴史散歩がてら、ぜひ足をお運びください。
▼日本刀 湘南 佐々木
[住所]神奈川県小田原市栄町1-11-16 Mビル1F
[営業時間]10:00-18:00
[定休日]月曜日+不定休