[前編・1日目]走れ、お神輿!小田原のまちが高鳴る3日間|松原神社例大祭レポート
*このコラムは以前公開した「お祭り男子に聞く!お神輿の舞台裏と担ぎ手たちの想い」の続編です。
前回のコラムではお祭りに携わる皆さんの想いをご紹介しましたが、今回は2025年の松原神社例大祭の様子を前・中・後編の3回に渡りレポートします。まだ実際の例大祭を見たことないよ、という方や3日間どんなことをしてるんだろう?という方に、お祭りやお神輿の魅力、担ぎ手の皆さんの情熱、それぞれの神事の意味などもお伝えできればと思います。さぁ、あの熱気を思い出しながら振り返っていきましょう!
2025年の松原神社例大祭
松原神社例大祭が開催されるのは、毎年5月3、4、5日の3日間。2025年は開催前日がどしゃ降りの大雨…!でも当日の朝にはカラリと晴れて開催期間の3日間は最高のお祭り日和に(翌日の6日も雨でした)。あまりに晴れ間がドンピシャで、このお祭りはやっぱり神様に守られているのだなぁ…と感じ入りました。
この期間には毎年大稲荷神社(城山1丁目)、山王神社(浜町4丁目)、居神神社(城山1丁目)も例大祭を行っているため、城山、浜町、板橋エリアまで小田原駅周辺の幅広い地域でお祭りの風景を見ることができます。
市内各所から神社の垣根を越えお神輿が大集結!北條五代祭りパレード
まちなかは朝からお祭りの準備で大忙し!公民館が神酒所(みきしょ:本社神輿を迎えるための祭壇を設ける場所)に変わり道路には山車(だし)が停まって路端に出店が並び…まち全体がどんどんお祭りらしい景色になっていきます。例年は前日までに張られていることの多いしめ縄も、前日が大雨だった今年は多くの町会で当日の朝に張られていました。

しめ縄には「紙垂(しで)」と呼ばれる白い紙飾りが付いていて、お神輿の通る道を清める役割があります
この日は「北條五代祭り」の開催もあり早い時間から観光客が集まります。混同されがちですが「北條五代祭り」は小田原市観光協会主催の観光イベントで、神事である例大祭とは別物です…が、五代祭りのメインイベントであるパレードでは小田原神輿連絡協議会が締めを飾り、市内各所から大集結したお神輿を見ることができるんです。神社の垣根を越え、掛け声や担ぎ方もさまざまなお神輿を見られる数少ないチャンス!

お堀端通りを進む松原神社のお神輿

お神輿の形状や担ぎ手の装束の違いも見どころのひとつです

パレードでお神輿を先導するトラック/間近で見るお神輿はやっぱりカッコいい!
お神輿に神様をお乗せする儀式「御霊入れ」
さて、パレードが終わるといよいよ例大祭の始まり!お神輿が動き出すにあたって最初の儀式は「御霊(みたま)入れ」です。各町のお神輿が順に松原神社を詣で、宮司さまが祝詞(のりと)を奏上して御霊を社殿からお神輿に遷(うつ)します。お神輿に神様にお乗りいただき、それを担いで町内を回ることで災厄や穢れを清めていただくのが渡御(とぎょ)です。

参道で御霊入れの順番を待つお神輿の列。すべての御霊入れが終わる頃には夕方になっています

御霊入れの儀式の様子。町中がお祭りムードでにぎやかな中、境内は神聖な雰囲気で背筋が伸びます
厳かな御霊入れが終わると、いよいよお神輿がまちに繰り出していきます。この日からさっそく自町内を中心に渡御を行う町会と、御霊入れ後は神酒所に戻って明日から本番!という町会とさまざまです。夕方のまちに「オイーサァー!!」と威勢のいい声がこだまし始めると“あぁ、今年もお祭りが始まったんだなぁ”と地元民の心は踊ります。

御霊入れが終わると、松原神社も一時だけ静かに

御霊入れ後、お神輿は夕方のまちへ続々と繰り出します

夜の神酒所(萬町)
松原神社例大祭レポート、前編はここまで!中編となる2日目は御濱降り、後編の最終日は宮入りなど見どころ盛りだくさんです。引き続きどうぞお楽しみください。
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