[店舗]制約はアイデアとデザインで飛び越える。イタリアンレストラン『VINERIA Olmo』

小田原市栄町のとあるビルの1階。コンクリート打ち放しのすっきりとした外観の店舗が今回の主役。以前は異業種の店舗だったこのスペースはどのようなレストランへと変身をしたのでしょうか。オーナーシェフであるお施主さまの料理への想いがつまったリノベ事例をご覧下さい。
工事データ
・店舗種別:レストラン
・建物構造:鉄筋コンクリート造
・施工面積:36.52㎡
完成後

天井から吊った棚にずらりと並んだワインが目を引きます

シェフの料理と会話が堪能できるカウンター席

コンクリート壁にスリムなカウンターを設置して、気軽にワインを楽しめる立ち飲みスペースに

ゆったりと過ごせるテーブル席はガラス窓からの自然光が心地よい空間に

シェフがもっとも動きやすい動線にカスタマイズした、使い勝手のいい厨房

塗装の色にこだわったドアやカウンター/限られた空間の中でもトイレはゆったりと

大きなガラスに面した客席への視線を柔らかく遮ることができるように植栽を配置
配管もデザインも一から。制約の多いスタート
この物件は元々は飲食店ではなかったため一からの厨房配管工事が必要で、コストがかさみすぎないよう全体のデザインをしていく事が最初の課題でした。また鉄筋コンクリート造のため給排気の場所が限られていることや契約上ファサードのデザインを変えられないことなど、いくつかハード面の大きな制約もありました。

[工事前]スケルトン物件。元々は別業種が入居されていました
一皿に込めるシェフの気持ちをデザインに
長年料理の世界に身を置いてきたオーナーシェフは、心地よくお食事を愉しんでもらうために外せないポイントを明確にお持ちでした。そこで細かなヒアリングを行い、優先的に実現したいポイントをリストアップすることに。少人数のオペレーションでも効率よく営業できるレイアウト、様々なタイプのお客様に対応できる客席を設けたいといった営業面のご要望のほか、コンクリート打ち放しを活かしたすっきりとした雰囲気、食事を心地よく愉しむためのテーブルの幅、大きさ、通路の寸法などの細部に至るまで、これまでの経験を活かしたリクエストを頂きました。
お客様にとって快適な空間を作り上げようとするシェフのお気持ちが伝わり“こんな気遣いのあるお店で、ゆったりと食事をしてみたい!”と感じる打合せでした。
目指したのは、落ち着いた雰囲気と動きやすい機能性の両立
ワインを中心としたイタリアンということで大人のトラットリアような、ラフになりすぎない落ち着いた雰囲気を目指しました。
シェフの料理や会話が堪能できるカウンター、お二人での時間が楽しめるお二人掛けのテーブル席、グループでゆったりお話のできる広めのテーブル席、イタリアのバール文化が感じられる立ち飲みスペースと、様々なタイプのお客様に対応できる客席を作ることができました。
また客席スペースをしっかり確保しながら収納量も補えるよう、ワインボトルやグラスを収納する棚を天井から吊ることに。空間に馴染む黒のボルトで吊り背板のない素通しにしたことで、圧迫感は押さえながら厨房と客席がゆるく仕切られ、無駄のない「収納力」とワインボトルによるイタリアンらしい「雰囲気」作りを両立させました。この吊るし棚がインパクトを生み出して、お店のシンボルとなっています。
カウンターやテーブルの色は赤みのある茶色で塗装を施し、ワインとなじむ温かみのある印象に。また床や天井には濃いグレーを、金属部には黒を取り入れ、全体が引き締まった奥行きのある空間になるようデザインしました。

ハードな素材と、落ち着いたカラーリングの木部のコンビネーション
厨房は調理に充分なスペースを確保しつつ、客室側もカウンター席の背後をスムーズに通れる絶妙なバランスの通路寸法に。お客様がお店で快適にすごせるよう、細やかな気遣いを設計に落とし込んでいます。
天井の高さまであるガラス張りのファサードは、お店の前を通った時に、ゆったりワインを飲めそう!と感じてもらえるよう演出しました。大きなガラス窓の外部には植栽を置いて客席への視線は遮りながら、ガラス窓の上部からは店内の吊り棚のワインや照明がチラリと見えるように。店内のお客様にはリラックスしてもらいながら、外からは素敵な飲食店であることがわかる仕掛けにしています。

無機質さのなかに親しみやすさも感じる外観/ガラス窓に面した席は、明るさは確保しながら植栽で視線を遮っています
距離感もほどよく。温かな料理とコミュニケーションが生まれるお店
オープン以来、日々お忙しくされているお施主さまよりご感想をいただきました。
「旧三福不動産さんは以前から小田原で個人店の開業に多く携わっているイメージがあり、ぜひお願いしたいと今回ご相談させて頂きました。基本的に一人で営業しているため、厨房内から全テーブル席を見渡せるのでとても助かっています。また厨房とカウンターの距離が近く、お客さまとメニューやワインについてお話がしやすいですね。気に入っているのは天井から吊った棚で、お客様からはワインボトルが見ることができて厨房側からはお皿やグラス等よく使うものを出し入れしやすくて便利です。デザインと実用性の両面で、とても満足のいくお店になりました。」
今回は異業種から飲食店への用途変更ということで、スケルトンからのフルリノベーションとなりました。オーナーシェフの料理に対する想いと同じく、温かくも強い内装デザインを目指しました。旧三福不動産では、ご依頼者さまの想いを形にできるように、素材選びから塗装まで職人の皆さんのアイデアと技術を最大限活かしています。
地元食材はもちろん、日本各地やヨーロッパから取り寄せた食材で作られるオーナーシェフのこだわりの一皿。ぜひこの空間と共に堪能しに訪れてみてください。
▼VENERIA Olmo
[住所]小田原市栄町3-10-36(小田原駅徒歩6分)
[営業時間]
《Lunch》 土・日・祝 11:30〜14:30(13:30L.o)*ランチコースorアラカルトの予約制
《Dinner》 火〜日 17:00〜23:00(22:00L.o)
[定休日]月曜日・不定休
[Instagram]@vineria_olmo
※営業時間、定休日などは変更になる場合があります。最新の状況はSNSにてご確認ください。
▼『VENERIA Olmo』のオープン当時の記事です。合わせてご覧ください。













