2023年9月18日（月）、板橋に『薬膳喫茶 KURA』がオープンしました。昭和初期に建てられたレトロな洋館が、ほっとリラックスできる優しい空間へと変身を遂げています。
　
ここでいただけるのは、店名の通り薬膳を中心に据えたお食事やスイーツ。「薬膳」と聞くと、漢方の味がしそう、とか精進料理みたいに野菜だけの料理、薄味で味気ないのかな、なんて思っている方も多いのでは。でも実はそれってちょっぴり違うみたいです。薬膳の基本は「体に合った美味しい食事」。季節やその日の体調などに合わせて選んだ食材をおいしく摂取することで体を内側から整える、ということなんだそう。
　

お店を運営するのは、マスターの飯山さんと共同経営者の前島さん。前島さんが薬膳に興味を持ったのは、ご自身やご家族の体調不良がきっかけでした。何か日常の暮らしのなかで体やこころを整えられるものはないだろうか、と思っているときに出会ったのが薬膳。おいしく食事をしながら健康になれるなんて！とその魅力に惹かれて薬膳について学び始め、薬膳コーディネーターの資格を取られたそう。
もともと前島さんはおいしいものを食べることが大好き。自分が食べたいもの、自分がおいしいと思うものを基準にしてフードコーディネーターさんと共にレシピをつくり上げました。だから、KURAのお料理は何よりもまずおいしいんです。そのうえで地元産の旬の食材と国内外から取り寄せた薬膳素材をふんだんに使って、体が整って元気になれる一皿に仕上げています。
　

喫茶店なだけあってドリンクメニューが充実しているのもKURAの魅力です。看板メニューはオリジナルの薬膳クラフトコーラ「ゴジアイコーラ」。口に運ぶとまずふわっとシナモンが香って、大豆や黒豆などの豆類が折り重なった深い味わいが追いかけてきます。そのほか、５種類の薬膳茶やドリップコーヒー、アレンジティーなどバリエーション豊かです。
　

そしてお料理と一緒に楽しんでほしいのが素晴らしい建物。築90年を超えると思われる洋風建築を、できる限り当時の面影を残したまま補修しています。
実はこの建物のことを、マスターの飯山さんは30年も前から気にしていたそうです。「若い頃に仕事でこの地域の観光案内板や道標などの設置をしていたんです。その時にこの建物の外観に惹かれて、ここが観光案内所だったらすてきなのに、って思っていましたね。まさか自分が活用することになるとは、夢にも思っていませんでしたけど（笑）」
　
置かれている家具や照明もすてきで、照明はご近所の北欧照明のお店、「Nordisk Lys（ノルディスク・リィス）」さんのセレクトだそう。和洋折衷な建物にヴィンテージの北欧照明がひとさじのスパイスを加えてくれています。テーブルや椅子も老舗の喫茶店が使っていたものを再利用していて、建物のレトロ感と相まって独特の懐かしさと温もりを醸し出しています。そのほかマスターの飯山さんのご実家にあったものも散りばめられているそうで「お客様から“おばあちゃんの家に来たみたい”とか“実家に帰ってきたみたい”って言われることがあるんですが、その通りですよって心の中で思っています」。
おいしいお料理やドリンクと共に、文化的価値のある建物でくつろげる幸せもぜひ存分に味わってください。
　


『薬膳喫茶 KURA』さんのこれからをおふたりに伺うと、お店や旅館などから委託を受けて、さまざまな薬膳食材を調合してオリジナルコーラを作れるように準備しているのだとか。また、いずれはお隣にある蔵も使って何かイベントができたら…って考えているんですって。楽しみです！
板橋は、松永記念館や古希庵など庭園や建物の美しい文化財も多く残る、歴史の香りを感じるエリア。最近はお茶の工房兼カフェ「TEA FACTORY 如春園」（物販コーナーで紅茶や緑茶などの購入も可能です）や、前述の「Nordisk Lys（ノルディスク・リィス）」などすてきなお店も集まり始めています。板橋散策をしながら、体もこころも元気になれる『薬膳喫茶 KURA』でひと息つきませんか。

▼薬膳喫茶 KURA
住所）小田原市板橋649
営業時間）9:00-17:00（ランチは10:30-）
定休日）火・水曜日
instagram）@kura.odawara
X・旧Twitter）@KuraOdawara
※営業時間、定休日などは変更になる場合があります。最新の状況はSNSにてご確認ください。

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