味があってなんだか懐かしくて、リラックスできると旧三福不動産では人気の古民家。新築にはない、どこか優しいぬくもりと、凛としたたたずまいがいいんです…。
ぼくらが日々たくさんの古民家を見ているなかでひしひしと感じている『古民家あるある』をまとめてみました。魅力もデメリットも、正直なところをお伝えします。
※「古民家」には明確な定義はありませんが、ここでは築50年以上の木造の住居をイメージしています。
古民家の大きな魅力のひとつが、昭和や大正など当時ならではの意匠。欄間や立派な床柱、雪見障子、船底天井などちょっと珍しい大胆なデザインや小技の利いた細かい手仕事に出会えます。リノベーションで洋室に変更してもこれらの意匠の部分は活かしたい、という方も。
ガラスやタイルも古民家で見逃せないチャームポイント。手づくりのゆがみガラスやすりガラス、さまざまな形のカラフルなタイルなど現在では生産されていない貴重な品が残っていることも多いんです。同じものはもう手に入らないので、割らないようにお気をつけて…!
残念ながら、夏暑く冬寒い家が多いです。壁や天井に断熱がされていなかったり、建付けが悪くなったことであちらこちらにすきまができてしまったり…冷暖房の効きがあまりよくないことが多いんです。昔の日本家屋は通気性よく作られているので春から秋にかけては比較的快適にすごせるようにできていますが、古いままのおうちでは真夏と真冬はやはり酷です。
とは言え最近では技術が進んでいるので、工事をすることで快適性を格段に高めることができますのでぜひご相談ください。
内見していると面白いのが、それぞれのおうちにしかない個性。今の時代にはないような使い途のわからない謎の収納や不可思議な増改築部分があったりするんです。 ほかにも「たろう 3才」なんて文字と身長のしるしの書かれた柱や、ふすまに貼られた昔のアニメキャラのシールなどからほほえましい家族の風景が想像できることも。これらは工事で一新してしまうことも多いので、工事前には独特の歴史を観察してみるのも面白いかもしれません。
虫、よく出るんです…。古くて建付けが悪くなってあちらこちらにすきまがあるおうちが多く、どこからか虫が入ってきます。苦手な方のためにあんまり詳しい描写はしないでおきます…。蜘蛛がいればゴキブリなどの害虫を食べてくれますが、蜘蛛自体が苦手な方にはやっかいですね。
木造の建物ってやっぱり音が伝わりやすいです。廊下を歩く音、ドアを開閉する音、誰かのくしゃみなどその音で家族が建物内のどの辺りにいるか大体わかるんだとか(笑)。旧三福不動産の事務所も、脇にある階段をのぼるその足音で誰が帰ってきたのかわかるほど。単に響きやすいということだけでなく、歩くたびに柱や梁がきしむ音も含まれるので一般的な木造住宅よりも余計に音が気になりそうです。
自然素材の柱や梁は時間が経てば経つほど味が出てきます。合成樹脂でつくられた設備はだんだん傷んで見栄えが悪くなってきますが、木材など自然素材なら色の変化や自然なツヤ、毎日使用するなかで生まれたシミや傷…そんな経年変化がむしろ魅力に感じられます。古民家ならではのやさしい味わいは、ピカピカの新築にはない特別なものです。
古民家のこと、より知っていただけたでしょうか。古いからこそのメリット、デメリット、どちらも同じくらいあると思いますが、古民家に住むのなら不便さや足りなさも個性として面白がれるくらいがちょうどいいんじゃないかと思います。
古民家物件の数はそんなに多くないので、古民家を探している方はじっくり探しつつ良い物件を見つけたらすぐ動けるように準備しておくのがおすすめ!これぞ、というすてきな古民家に出会えますように。