旧三福不動産|小田原市にある不動産&リノベーションの会社

[マンション]風も光も通りぬける、家族で暮らす大きなワンルーム

 
今回ご紹介するのは、ほとんどの壁を大胆に取り払い、風も光も通り抜ける空間に変わったマンション。
マンションでここまで開放感を出せるなんて、と驚いてしまうような姿になりました。
施主様は、女の子のお子さんがいらっしゃる3人家族のF様です。
 
 
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ご自宅を購入されるにあたり、最初から新築はまったく検討していなかったというF様ご夫妻。
キラキラ、ピカピカした新しさよりも、倉庫のようなラフさ、ザラザラ感のあるスペースをつくりたいという思いがあったため、中古マンションのリノベーションは憧れだったといいます。
 
■リノベーション前
 
ご夫妻が選んだのは、リビングから小田原城が見える2LDKのマンション。1部屋は和室で、キッチンは独立している、ちょっと古いタイプの間取りでした。
購入時、内装はあまりきれいな状態ではなかったものの最初から大幅にリノベーションする予定だったので気にならなかったそう。
 
 
リビングダイニング
 

 
 
リビングダイニングを窓側から。右手奥がキッチン、左手奥が洗面所、左手手前は和室です。
 

 
 
じゅうたん敷きだった廊下
 

 
 
玄関の正面にあった洋室
 

 
 
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■お打ち合わせ
 
F様のご希望に弊社の建築士からのご提案をミックスしながら、プランを練っていきます。
広い空間で暮らしたい、というご希望をもとに、既存の壁をできるだけなくして大きなワンルームのようなイメージの住まいをつくることになりました。
 
 
模型を使ってアイデアを具体化していきます。
 

 

 
 
デザインのお仕事をされているF様ご夫妻は、ご自身でもデザイン画をいくつも描いてくださいました。
 

 
 
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■解体工事後
 
工事を経て、室内はほぼ極限までシンプルになりました。
 

 
リビングと和室があった場所です。
躯体(床や壁、梁など建物の構造を支えるおおもとの骨組)と洗面所周りの壁1枚だけを残して、室内はすっかり何もない状態に。
 
 
解体前の2枚目の写真とほぼ同じ位置から。キッチンの設備もすべて撤去しました。
 

 
 
玄関ホールもなくなって、すべての空間がひとつにつながっています。
 

 
解体や壁紙はがしは施主様ご自身も行われました。大変だったぶん、費用の圧縮には大きな効果が。
 
 
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■お引き渡し
 

 
あれ、まだ工事中?という感じですが、実はお引き渡し時にはまだこの状態だったのです。
ここから先は、ペンキ塗りや珪藻土塗りをほぼ施主様がDIYされました。
 
 
なんと!写真中央にあるのはキッチンカウンター。今回のリノベーションの一番の主役かもしれません。
キッチンの給排水設備を移動して新たに設置するため、床がステージのように一段あがりました。結果的に、室内が見渡せるメリットが生まれました。
 

 
 

 
 
元は和室だったエリア。壁面に棚とテーブルを造り付けました。木材は、実用性とコスト、ビジュアルのバランスを取りながら施主様が納得のいくまで慎重に検討されました。
 

 
 
玄関の前には上部をふさがない背の低い仕切りをつくって、寝室スペースに。明るく風通しよく狭さを感じさせないよう、あえて独立した部屋にしなかったことがポイントです。
寝室〜玄関〜キッチン〜奥のリビングダイニングまで、視線と風の通り道を確保する設計になっています。
 

 
 
玄関とキッチンの間には、普段は壁に隠れる引き戸を1枚配しました。エアコン使用時にはこの引き戸が活躍します。

 
 
玄関の横にも棚を配しています。
F様邸の収納スペースは、その多くが見せる収納。可能なかぎり圧迫感をなくしたい、というご希望を叶えました。
 

 
 
寝室にはロフトが。将来はお子さんのためのスペースになる予定。
 

 
このほかに、元はなかった納戸を新たにつくりました。F様邸には収納のための大きな家具はほとんどありませんが、作り付けの棚と納戸で収納スペースがしっかり確保されています。
 
 
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■現在
 

 
DIYを経て完成し、すっかり使いこなされている現在のおうちへお邪魔しました。
それぞれの場がひとつにつながりながらも、ところどころ仕切りの機能は残して使いやすさを確保した住まいになっています。
 
 
壁の一部は塗らずにあえてコンクリートのままにして、無骨なイメージをキープしました。
 

 
 
デスクはテレビ台と家族の書斎エリアを兼ねています。壁を取り払って2部屋をつなげたことで窓からたくさん光が入る明るいリビングに。
 

 
 
キッチンを大胆にオープンにすることで空間を広く使えるようになりました。限られたスペースですが回遊性が高いので作業がしやすく、使いやすいそう。カウンターは家具職人に依頼してつくったもの。周囲を覆う壁をあえて高めにして目隠しにするなど、随所にリノベーションならではの個性的な工夫がこらされています。
 

 
 
寝室スペースの壁は、シンプルな内装にアクセントを加えたいと赤に!派手すぎないマットな赤の差し色で、ザラリとした室内に明るい印象が加わりました。
 

 
 
洗面所兼脱衣所。実はここにもある工夫が…
 

 
 
空間がほとんどひとつづきのF様邸なので、ドアの数も最低限です(引き戸とこのドアの他には、玄関のドアだけ!)。スペースを有効活用するために、このドア1枚でトイレと洗面所どちらにも使えるようになっています。
 

 
 
できるだけコストを減らそうといろいろな工夫をされたF様でしたが、ここだけはどうしても譲れなかった、と希望を叶えたこだわりのトグルスイッチ。かっこいいです。
 

 
 
こうあるべき、という固定概念から開放された自由な発想でいっぱいのF様邸。そこには、ドアにも家具にもしばられない、余白のある暮らしがありました。最大公約数的なデザインからはかけ離れた、大胆でユニークな住まいをつくれるリノベーションの醍醐味を改めて感じるおうちです。